激務といわれる理由

激務といわれる理由

シフトが一定ではない

看護師の多くは日勤と夜勤の交代制勤務で働いていますが、複数の勤務時間を移動する働き方は身体にさまざまな影響を及ぼします。人間は本来、朝になったら起きて夜になったら眠る、という生活を送っています。その眠るべき時間に起きて仕事をすることで疲れを感じやすくなったり、不眠などの睡眠障害を招いたりする可能性があります。睡眠を十分に確保できないと生活リズムが不規則になり、自律神経をはじめ、胃や腸などの消化器にも大きな負担がかかります。また、子どものいる家庭ではシフトの都合で授業参観など日中に行われる行事に参加できないなどの弊害もあります。
このような精神的・身体的負担が大きいにもかかわらず、夜勤の負担を軽減する対策は不十分な状態です。例えば、仮眠設備が整えられておらず十分な仮眠をとることができない、急患が続き休憩時間が取れない日がある、夜勤前後に勉強会への参加を強制されるなどです。
これでは心身に悪影響を及ぼしてしまうのも当然のことです。負担が軽減できるように環境を改善することが求められています。

体力的な負担が大きい

医師のサポートや患者さんのお世話が看護師の主な仕事ですが、患者さんの中には寝たきりの人もいます。その場合、オムツの交換や入浴・排泄の介助、体位交換なども看護師の仕事です。患者さんの全身を支えながら行うため負担もそれなりに大きいわけですが、人手不足などにより看護師1人で行うことが常態化しています。体力的な負担が大きいため男性看護師に協力を得たり、複数で行うことを推奨されていますが、人手不足の状況では手が空いている人が少ないため誰かに声をかけることすらできません。そのため、腰を痛めながら業務をこなしている看護師も少なくないのです。
また、患者さんのお世話だけでなく受付や検査業務、リハビリの補助などの業務も看護師が担っていますが、看護師の業務を代わりに行ってくれる職種はほとんどありません。その結果、仕事の範囲が広がり激務となってしまうのです。

人手不足が深刻な状況になっている

多くの病院では看護師不足に悩んでいますが、人手が不足すると現場にどのような影響が出るのでしょうか。
人手が少なくても業務の量が減るわけではありません。そのため、どうしても残業になってしまったり、休みが取りにくくなったりします。また、精神的な余裕もなくなるため、ミスが増えてしまったり、看護が行き届かず患者さんに迷惑をかけたりすることもあります。そのような状況では職場全体の雰囲気もよいとはいえないでしょう。状況に耐え切れず離職する人が増え、さらに状況が悪化していきます。

あなたにおすすめの記事